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 HIGUCHI LAB
    生体分子ダイナミックスの生命物理学
東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 樋口研究室
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東北大学 先進医工学研究機構
「医療ナノイメージングと医療ナノマシンの開発」


科学技術振興調整費 先進医工学研究機構
研究期間:2004-2008年
チーム代表 樋口秀男  助手 権田幸祐、渡邉朋信(2006年9月退職)

癌(悪性腫瘍)による死亡率は国内第一位であり,治療法の進歩と改良が急がれます. 現在の外科的手術は手術浸潤による患者の身体的負担があり,また手術者の肉眼にたよるので, 小さな癌の見落としといったリスクを伴います.内科的治療では抗癌剤の投与, あるいは放射線の照射によって癌をターゲットにした治療が行われていますが, 選択性が必ずしも高くないために全身に及ぼす影響は甚大です. これらの観点から,本研究課題では,癌治療のために,できる限り癌細胞のみの活性を抑え, 癌細胞のみを切除するといった方法の開発を目指します.本課題で取り組む具体的内容は, (1) 医療ナノイメージングでは,乳癌に特異的に結合する抗体を,蛍光強度の強い半導体ナノ粒子に付け, これを体内に注射します.注射された抗体ナノ粒子は乳癌に結合します. 体にレーザーを照射することにより,抗体ナノ粒子が結合した癌細胞だけを光らせて, 高感度カメラにてイメージングし,癌の位置を特定します. 癌細胞は小さいので肉眼観察だけでは癌を見落としてしまいますので, 高感度実体顕微鏡を開発して,少量の癌細胞でも確認できるようにします. こうすれば,癌の初期段階の小さな部位の検出もできます. これらの病巣を外科的に切除して治療します. (2)外科的手術は精神的にも肉体的にも困難を伴う場合があります. そこで,手術を伴わない方法として医療ナノマシンを開発して, 癌細胞に正常化DNAや修復DNAを癌細胞にデリバーし,癌の増殖を遅らせたり, 治療したりします.これら,医療ナノイメージング方法と医療ナノマシンデリバーシステムは癌に限らず, 様々な病気の治療に応用できると期待されます.


(C)東京大学 樋口研究室